抜歯とインプラントを同時に!抜歯即時埋入インプラントの治療過程とポイント
2024/12/20
こんにちは。大田区中央(池上・大森)の歯医者、谷歯科クリニックです。
インプラント治療を受ける際、「抜歯即時埋入インプラント」について聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
これは、歯を抜いたその日にインプラントを埋め込む治療方法で、治療の期間を大幅に短縮できるというメリットがあります。
しかし、すべての患者さまに適応できるわけではなく、慎重に適応症例を判断する必要があります。
この記事では、抜歯即時埋入インプラントのメリットやデメリット、どのようなケースで行うべきか、また行わない方が良いケースについて詳しくご説明します。
あなたの状態に最適な治療法を一緒に考え、安心して治療を受けていただけるようサポートいたします。
抜歯即時埋入インプラントとは
抜歯即時埋入インプラントは、歯を抜いたその日にインプラントを埋め込む治療法です。
通常、歯を抜いた後は数ヶ月にわたって治癒期間が必要とされ、その間に骨の再生が進むのを待つ必要があります。
しかし、抜歯即時埋入インプラントでは、抜歯とインプラントの埋入を一度に行うことで、治療期間を大幅に短縮することができます。
この治療法は、骨の状態が良好で、インプラントの安定が十分に得られる場合に適応されます。
手術の際に、インプラントを埋め込むための適切な骨の状態を確認し、埋め込む位置を慎重に決める必要があります。
抜歯即時埋入インプラントのメリット
治療期間の短縮
通常、歯を抜いた後に数ヶ月間の治癒期間を経てインプラントを埋入するのが一般的ですが、抜歯即時埋入では抜歯とインプラント埋入が同時に行われるため、治療の期間が大幅に短縮されます。
痛みや腫れの軽減
通常のインプラント治療では二度の手術が必要ですが、即時埋入では1回の手術で済むため、手術に伴う痛みや腫れも軽減されることが期待できます。
歯の欠損を早期に補う
インプラントをすぐに埋入することで、歯の欠損がすぐに補われ、見た目の改善や機能回復も早くなります。これは特に前歯の治療など、見た目が重要な場合に大きなメリットです。
骨吸収の予防
歯を抜いた後の骨吸収が進んでしまうのを防ぐことができます。インプラントを早期に埋め込むことで、骨の再吸収を防ぎ、将来の治療をスムーズに行うことが可能です。
抜歯即時埋入インプラントのデメリット
適応症例が限られる
骨の状態や歯周病の進行具合など、患者さまの口腔内の状態によっては抜歯即時埋入が適応できない場合があります。
例えば、骨が非常に薄い、または歯周病が進行している場合には、即時埋入が難しいことがあります。
インプラントの初期安定性が不十分な場合がある
抜歯後すぐにインプラントを埋め込むため、骨とインプラントがしっかり結合するまでに時間がかかることがあります。
十分な初期安定性が確保できない場合、治療が不成功になるリスクが高まる可能性があります。
感染のリスク
手術を早急に行うため、感染症が発生するリスクがあります。
術後のケアを徹底する必要があり、患者さまにも注意が必要です。
抜歯即時埋入インプラントの適応症例
歯の状態が良好で、骨が十分にある場合
歯の根がしっかりしていて、周囲の骨が十分にある場合には即時埋入が可能です。
例えば、外傷や虫歯で歯を失った場合など、健康な骨が残っている場合です。
前歯など、審美的な回復が重要な場合
見た目が特に重要な場合、例えば前歯の治療においては、抜歯と同時にインプラントを埋入することで、審美的な結果を早期に得ることができます。
手術後の治癒が順調に進む患者さま
骨の質が良好で、患者さまが健康であれば、即時埋入の成功率は高くなります。
また、定期的なメンテナンスや術後のケアをきちんと行える方にも適しています。
抜歯即時埋入インプラントを行わない方が良いケース
骨が非常に薄い場合
骨量が不足していると、インプラントが安定しない可能性があります。この場合、骨移植や骨の再生治療が必要になることがあり、即時埋入が難しいことがあります。
歯周病や感染が進行している場合
歯周病が重度であったり、歯の根に感染がある場合、インプラントを埋め込んでも治癒が難しく、トラブルが起こる可能性が高くなります。
全身疾患がある場合
糖尿病や免疫系に問題がある場合、治癒が遅れることがあり、即時埋入には向かないことがあります。
これらの疾患がある場合は、治療前に全身的な管理が必要です。
重度の喫煙者
喫煙は骨の回復を遅らせ、インプラントの成功率を低下させることが知られています。
重度の喫煙者に対しては、即時埋入を避けることが推奨されることがあります。
抜歯即時埋入インプラントの治療の流れ
抜歯即時埋入インプラントの治療の流れは、通常のインプラント治療と異なり、抜歯とインプラントの埋入を一度に行うため、スムーズかつ迅速に進行します。
以下はその一般的な治療の流れです。
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STEP 1
- 事前診断とカウンセリング
- 治療を始める前に、患者さまの口腔内の状態を正確に把握するために、レントゲンやCTスキャンを使って検査を行います。
この検査で、骨の密度や形状、神経の位置などを確認し、インプラントの埋入が適切かどうかを評価します。
また、インプラント治療についてのご説明と、患者さまの希望を聞き取り、治療に対する不安や疑問を解消します。
もし、特別なご要望があれば、事前にご相談いただけます。
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STEP 2
- 歯の抜歯・インプラントの埋入
- 治療が開始されると、まずその部分にある歯を慎重に抜歯します。
抜歯は無理なく行いますが、場合によっては、周囲の歯茎や骨をきれいに整えるための準備が必要になることもあります。
続けてインプラントを埋め入れます。
抜歯後すぐにインプラントを埋入することで、骨の吸収を最小限に抑え、安定したインプラントの定着が期待できます。
埋入時には、CTスキャンやインプラントナビゲーションシステム「X-Guide」を活用して、インプラントの最適な位置や角度を精密に決定します。
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STEP 3
- インプラントの固定と仮歯の装着
- インプラント埋入後は、骨と結合するまで約3~6か月間待ちます。なるべく安静にして、リラックスして過ごすようにしましょう。
なお、この間に仮歯を入れるケースもあれば、専用キャップで過ごすケースもあります。
術後の腫れや痛みを最小限に抑えるために、痛み止めや抗生物質の処方が行われることもあります。
また、定期的な経過観察のために、通院をお願いすることもあります。
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STEP 4
- インプラントの定着と最終補綴物の装着
- インプラントが骨としっかり結合した段階で、最終的な補綴物(人工歯)を装着します。
当院での取り組み
当院では、抜歯即時埋入インプラントの成功率を高めるために、最新のデジタル機器を活用しています。
CTスキャンを使って骨の状態や神経の位置を三次元で把握し、インプラントナビゲーションシステム「X-Guide」を使用して、インプラントの埋入位置をリアルタイムで確認しながら手術を進めています。
これにより、より精密で安全な治療が可能になります。
また、インプラント埋入後の管理にも力を入れており、患者さまには術後のケアや定期的なチェックをお願いしています。安心して治療を受けていただけるよう、しっかりとサポートいたします。
抜歯即時埋入インプラントは、時間がない方やできるだけ早く治療を終わらせたい方には大変有用な方法ですが、すべてのケースに適しているわけではありません。
患者さまの状態に最適な治療方法をご提案いたしますので、まずはご相談ください。
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