同じ場所に口内炎が何度もできるのはなぜ?治療法や予防法を解説
2025/06/20

こんにちは、大田区中央(池上・大森)の歯医者、谷歯科クリニックです。
口内炎ができ、不快な思いをしたことのある方は多いかと思います。
特に、同じ場所に繰り返し口内炎ができる場合、大きなストレスを感じたり、日常生活に支障をきたしたりすることは少なくありません。
そこで今回は、口内炎が同じ場所に繰り返しできる原因や治療法、繰り返しできる口内炎の予防法について解説します。
口内炎とは
口内炎とは、口内の粘膜に生じる炎症の総称です。
よく見られる口内炎は「アフタ性口内炎」といい、そのほか、ウイルス性口内炎、真菌によるカンジダ性口内炎、アレルギー反応が原因のアレルギー性口内炎といった種類があります。
アフタ性口内炎の症状

アフタ性口内炎では、周囲が白や黄色の膜で覆われた小さな潰瘍が口内にできることで、食事中に食べ物がしみたり、会話の際に痛みを感じたりすることがあります。
一般的には1〜2週間程度で自然に治ることが多いですが、口内環境や健康状態によっては繰り返し起こります。
重度の場合、口内にびらんが生じたり、白い膜で覆われた潰瘍がより広範囲にわたって現れたりするほか、粘膜が盛り上がったり、えぐれた穴ができることもあります。
こうした症状になると、痛みや異物感によって食事や会話がさらに困難になります。
アフタ性口内炎ができる原因
アフタ性口内炎の具体的な原因は明確になっていませんが、多くの場合、口内の粘膜にできた小さな傷や免疫力の低下が引き金になっていると考えられています。
例えば、食事中に誤って唇や頬の内側をかんでしまったり、熱さや硬さのある食べ物が物理的な刺激となったりして、粘膜にダメージを与えることがあります。
これらの小さな傷は通常は自然とよくなりますが、免疫力が低下している状態だと炎症が起こり、潰瘍になってしまいます。
繰り返す口内炎の主な原因
栄養バランスの乱れ

口内の粘膜の健康は、栄養バランスによって左右されます。
特にビタミンB2は、皮膚や粘膜の再生を助ける栄養素であり、口内炎を予防するために必要不可欠です。
卵や納豆、アーモンド、レバーなどに多く含まれています。また、ビタミンB6やビタミンC、タンパク質、亜鉛、マグネシウムなども粘膜の健康維持に重要です。
これらの栄養素が十分に摂取できていない場合、口内炎ができやすくなります。
免疫力の低下

口内炎の発生に深く関わっているのが、免疫力の低下です。
免疫力が低下すると、口内の細菌やウイルスに対する抵抗力が弱まり、炎症が起こりやすくなります。
そのため、十分に睡眠が取れない生活が続いている場合や、長期間にわたってストレスを抱えている時期には、口内炎を繰り返し発生しやすくなります。
口腔内の細菌バランスの悪化

口腔内の健康は、細菌バランスに大きく依存しています。歯磨きが不十分なことで歯垢や歯石が蓄積すると、口内の雑菌が繁殖しやすくなり、口内炎のリスクが増大します。
そのような口内環境で、歯磨きの際に力を入れすぎていたり、歯ブラシの角度が不適切だったりすると、物理的な刺激により粘膜が傷つき、炎症が起こりやすくなります。
口腔内の乾燥

口腔内の乾燥は、口内の粘膜が傷つきやすくなる大きな要因です。
ストレスや喫煙、慢性的な口呼吸、加齢などによって唾液の分泌が減ると、口腔内が乾燥しやすくなり、潤いによる保護作用が低下することから粘膜が傷つきやすくなります。
口腔内の乾燥を防ぐためには、こまめに水分を摂取し、鼻呼吸をする習慣をつけることが重要です。
また、室内の湿度を適度に保つことも、口内の乾燥防止につながります。
歯並びや補綴物の問題

歯並びの崩れや補綴物の不適合も、口内炎が発生する原因となります。
例えば、八重歯などで一部の歯が歯並びから飛び出ている場合、その歯が口内の粘膜に当たることで傷を作るリスクが高くなります。
歯並びの悪さが原因で口を開けたままになりがちな場合も、口腔内の乾燥が進み、口内炎ができやすい環境になります。
また、入れ歯や詰め物、かぶせ物が適合していない場合も、粘膜と接触して擦れるといった問題を引き起こしやすくなります。
そのほかの病気
口内炎は、ほかの病気の症状として現れることもあります。
具体的には、自己免疫疾患であるベーチェット病やシェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、糖尿病など、免疫力に異常をきたす病気は口内炎を誘引します。
こうした病気による口内炎の場合、一度に複数箇所にできたり、頻繁に繰り返したりすることも特徴です。
口内炎の治療法
口内炎の治療は、炎症を抑える作用のある軟膏や、口腔粘膜に貼り付ける貼付剤、噴霧薬やうがい薬などを用いた対症療法が中心となります。
重度の場合や長引く症状には、非ステロイド性抗炎症薬、抗アレルギー薬、ビタミン剤、漢方薬などの内服薬が処方されることもあります。
また、特定の疾患が原因と判明した場合は、その病気に準じた治療が行われます。
口内炎の予防法

口内炎を予防するためには、日々の生活習慣の改善が欠かせません。
まず、基本となるのが規則正しい生活です。睡眠と食事のタイミングを毎日一定にすることで体内のリズムを整えましょう。
食事においては、栄養バランスの取れた食生活を心がけることが大切です。特にビタミンB群、ビタミンC、鉄分などを十分に取り入れるようにしてください。
さらに、口腔ケアも予防に欠かせません。
刺激の少ない歯磨き粉を使用し、優しく丁寧に歯や歯ぐきを磨くことで、口内への刺激を抑えながら、雑菌の繁殖を防ぐようにしましょう。
フロスや歯間ブラシを用いて歯間をきちんと掃除することも、口腔内を清潔に保つためには欠かせません。
さらに、喫煙の習慣がある場合には、禁煙することも口内環境の改善につながります。
まとめ
口内炎は不快で痛みを伴う症状ですが、その原因を理解し対処することで、予防が可能です。
生活習慣の見直しや栄養バランスのとれた食事の摂取、日々の口腔ケアを心がけることで、口内炎ができにくい環境を作りましょう。
また、あまりにも繰り返し口内炎ができる、長引くという場合には、ほかの病気が原因の可能性もあります。
そのような際には医療機関を受診し、必要な治療を受けるようにしましょう。
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