インプラント治療で大切なオッセオインテグレーションとは?仕組みや必要性について解説
2025/02/20

こんにちは。大田区中央(池上・大森)の歯医者、谷歯科クリニックです。
インプラント治療は、失った歯を補うための治療法です。自然に近い見た目とかむ機能を取り戻すことができるという特徴があり、入れ歯やブリッジのデメリットをカバーする治療法として知られています。
そして、このインプラント治療法には「オッセオインテグレーション」と呼ばれる、術後のインプラントの安定に欠かせない過程があります。
今回は、オッセオインテグレーションの仕組みやその必要性、成功させるための条件について解説します。
オッセオインテグレーションとは

オッセオインテグレーションとは、インプラントの素材であるチタンとあごの骨とが、しっかりと結合する現象を指します。
この結合がうまくいくことで、インプラントが自然の歯に近い感覚で機能することが可能となります。
オッセオインテグレーションにかかる期間は2カ月から3カ月ほどであり、この期間に結合がしっかりと行われることで、インプラントの安定性を保ちやすくなります。
オッセオインテグレーション成功のために大切なこと
骨の質

オッセオインテグレーションの成功には、患者さんの骨の質が大きく影響します。
骨の密度や強度が高いほど、インプラントとの結合がスムーズに行われ、安定した固定が期待できます。
一方で、骨の密度が低い場合や骨質の劣化が進行していると、インプラントがしっかりと固定されず、結合が不十分になることがあります。
したがって、手術前にはレントゲン撮影やCT撮影、虫歯や歯周病の検査、血圧測定などによって骨の状態を十分に検査することが大切です。
また、その結果によっては、骨造成などを検討する必要があります。
インプラントの材質や形状

インプラント治療において使用される材質は主にチタンです。
チタンは生体適合性が高く、骨と強固に結合する性質を持っていますが、その製品によって加工技術や形状には差があり、このような表面の加工技術もオッセオインテグレーションに影響を与えます。
例えば、表面が荒くなるよう加工された製品では、骨細胞が付着しやすくなり、インプラントと骨との結合がより進みやすくなることがわかっています。
また、骨との接触面積に影響を与えるインプラントの形状やサイズも、オッセオインテグレーションの成功において重要な要素です。
外科手技

外科手技は、インプラント治療の経過を左右する重要なポイントです。
手術中にインプラントを正しい位置に埋入することはもちろんのこと、周囲の組織にできるだけダメージを与えないように注意することが求められます。
また、手術の際に使用される器具の選定や感染予防のための無菌処置も、インプラント治療の成功に大きく影響します。
オッセオインテグレーションにおけるリスク
喫煙習慣

喫煙は血流を悪化させ、骨の再生能力を低下させるため、オッセオインテグレーションに悪影響を及ぼします。
免疫機能が抑制されることで細菌感染のリスクが増え、治癒のプロセスが妨げられるリスクもあります。
そのため、インプラントを希望する方は少なくとも一定期間は禁煙をする必要があります。
インプラントと骨の結合が完了するまでの過程で喫煙が続くと、インプラントの安定性が低下する要因になってしまいます。
もちろん、インプラントを長期的に維持し口内の健康を守るためには、治療終了後も禁煙を続けることが大切です。
糖尿病

糖尿病を患っている方の場合、感染症のリスクや血流悪化のリスクがあるため、インプラント治療を受けるのが困難です。
高血糖の状態が続くと、傷口の治癒が遅くなるため、オッセオインテグレーションのプロセスにも障害が発生しやすくなります。
また、糖尿病が原因で歯周病のリスクが高まることもあり、結果としてインプラント周囲の口腔環境が悪くなることもあります。
歯周病

歯周病は、歯ぐきや周囲の骨に影響を及ぼし、インプラントの土台となる骨を脆弱にする要因です。
そのため歯周病が進行している状態でインプラントを行うと、インプラント部位の骨が十分に支えることができず、結合が不十分になる可能性があります。
強い衝撃
インプラントは骨に結合することで安定しますが、結合が完了するまでの間に強い衝撃を受けると、その安定性が損なわれる恐れがあります。
特に術後の早い段階での衝撃は危険です。
事故やスポーツなどであごに直接大きな力が加わることで、インプラントがずれたり脱落したりするリスクがあるため、これらの危険性がある行動は避けるようにしましょう。
細菌感染

インプラント治療の過程で感染が起きると、周囲組織の健康に影響が及び、オッセオインテグレーションが正しく進行しなくなる可能性や合併症にかかるリスクがあります。
感染のリスクを抑えるためには、術中はもちろん、術後も口腔内を清潔に保つことが大切です。
傷口の衛生を維持し、感染が疑われる場合には即座に歯科医院を受診するようにしましょう。
手術中のオーバーヒート
インプラント手術中に用いるドリルの過熱をオーバーヒートと呼びますが、このオーバーヒートが原因で骨がダメージを受け、オッセオインテグレーションが妨げられることがあります。
オーバーヒートを避けるためには、注水による冷却を正しく行うことが大切です。
インプラントを長持ちさせるために大切なこと

インプラントを長期間にわたって安定的に維持するためには、術後の継続したセルフケアと定期的な歯科医院でのケアが重要です。
歯磨きなどのセルフケアを習慣化するとともに、喫煙習慣がある方はインプラント治療を機に禁煙に挑戦してみましょう。
また、定期的に歯科検診を受けることも大切です。
これらの定期的なケアを続けることで、インプラントを長く維持し、自然な歯のような機能を保ちやすくなります。
まとめ

インプラント治療の成功には、オッセオインテグレーションという骨とインプラントの結合が重要です。
そしてオッセオインテグレーションを得るためには、骨の質、インプラントの材質や形状、外科手技が求められます。
さらに、糖尿病や歯周病などの健康状態の管理や禁煙、そして強い衝撃や細菌感染を避けるための配慮がオッセオインテグレーション失敗のリスクを低減させます。
日々の健康管理とケアを通じて、インプラントの良さを長く維持していただければと思います。
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