歯の先天性欠如とは?原因や治療法、放置するリスクを解説

      2025/08/20

大田区中央(池上・大森)の歯医者: 谷歯科クリニックで歯の先天性欠如についての解説

こんにちは、大田区中央(池上・大森)の歯医者、谷歯科クリニックです。

人間の永久歯は、親知らずを除くと上下左右で合計28本生えるのが一般的ですが、人によってはその本数が多かったり少なかったりすることがあります。
そして、このように先天的に28本よりも歯が足りない状態を「先天欠損(せんてんけっそん)」あるいは「先天性欠如(せんてんせいけつじょ)」と呼びます。

では、このように何らかの原因で歯が不足している場合、どのようなリスクが考えられるのでしょうか。
また、どのような治療法があるのでしょうか。今回は、歯の先天性欠如について原因や治療法、放置するリスクを解説します。

 

先天性欠如とは

大田区中央(池上・大森)の歯医者: 谷歯科クリニックで歯の先天性欠如についての解説

先天性欠如は、一部またはすべての永久歯が生まれつき欠如している状態です。
一般的に、人間の永久歯は親知らずを含めて32本、親知らずを除くと28本あります。

先天性欠如の方の場合、このうちの一部またはすべての歯が生えてきません。
また、その本数に応じて「一部性歯牙欠如症」と「全部性歯牙欠如症」に分類されます。
永久歯のうち数本が欠如している「一部性歯牙欠如症」の多くは、側切歯(前から2番目の歯)や第二小臼歯(前から5番目の歯)が欠如しているという特徴があります。
一方、全部性歯牙欠如症(無歯症)は、すべての永久歯が欠如している状態です。

 

先天性欠如の原因

大田区中央(池上・大森)の歯医者: 谷歯科クリニックで歯の先天性欠如についての解説

遺伝的要因
先天性欠如は、その多くが遺伝的な要因によって引き起こされると考えられています。
家族内に先天性欠如を持つ方がいる場合、その子どもにも同様の症状が現れることが多く、原因としては歯の発育に関与する特定の遺伝子の変異だと考えられています。

環境要因
妊娠中の母親の健康状態や周辺環境も、先天性欠如に影響を及ぼします。
特に妊娠初期の胎児の歯の形成が始まる時期においては、栄養不足や感染症、薬物の副作用などが悪影響となる場合があります。

全身的要因
全身的な疾患や内分泌障害も、先天性欠如の原因となると考えられています。
例えば、甲状腺機能低下症や糖尿病、風疹や梅毒などの感染症も歯の発育不全につながる可能性があります。

その他
近年では進化の過程で不要な歯が自然淘汰されているという説も提唱されています。
現代人の顎骨はだんだんと小さくなってきており、これが歯の本数が少なくなっている一因と考えられています。
この視点から考えると、先天性欠如は自然進化の一部と捉えることができます。

 

先天性欠如のリスク

歯並び・かみ合わせの悪化

大田区中央(池上・大森)の歯医者: 谷歯科クリニックで歯の先天性欠如についての解説

先天性欠如は、隣接する歯が傾いたり、乳歯が残ることでスペースが不足したりするため、歯並びの乱れやかみ合わせの崩れを引き起こす原因となります。
また、かみ合わせの悪さは、顎関節症などのトラブルを引き起こすリスクのほか、食事中に物をしっかりとかむことが難しくなる、発音が不明瞭になる、左右の顔のバランスが崩れるなど、日常生活を送るうえでの問題も引き起こします。
さらに、特定の歯に負担がかかりやすくなることで、歯がすり減ったり歯ぐきが痛んだりすることもあります。

 

虫歯や歯周病のリスク増加

大田区中央(池上・大森)の歯医者: 谷歯科クリニックで歯の先天性欠如についての解説

乳歯はエナメル質が永久歯に比べて薄く、構造的に永久歯より弱いため、永久歯が生えてこないために長期間口の中にあると虫歯や歯周病のリスクが増大します。
また、長く残っている乳歯は歯ぐきや周囲の組織に負担をかけ、歯周ポケットが深くなる傾向があります。
この結果、歯肉が炎症を起こしやすくなり、歯周病の進行により歯を支える骨が減少する可能性があります。

 

咀嚼・消化への悪影響

大田区中央(池上・大森)の歯医者: 谷歯科クリニックで歯の先天性欠如についての解説

歯が欠如していると、食べ物をしっかりとかむことができず、咀嚼能力が低下します。
特に、食べ物をすりつぶす役割を持つ奥歯が欠如していると、胃腸への負担増加や栄養素の不足につながります。
また、前歯が欠如している場合にも、食べ物をかみ切ることが難しくなってしまいます。

 

発音・滑舌への影響

前歯が欠如している場合には、発音が不明瞭になることがあります。
特にサ行やタ行、ラ行の発音に影響が出ることが多く、このような発音・滑舌の問題はコミュニケーションにも影響を与える可能性があります。

 

心理的影響

歯の欠如は、心にも影響を及ぼすことがあります。
見た目に対するコンプレックスや発音の問題が自信を喪失させ、人前での会話や笑顔を避けるようになることはめずらしくありません。
これが原因で、社会生活に対する不安やストレスが日常的に蓄積されていく可能性もあります。

 

先天性欠如の治療法

経過観察

小学生以下の子どもに先天性欠如が認められた場合、多くのケースで経過観察を行うことになります。
あごのバランスやかみ合わせに問題がある場合は成長を利用した矯正治療を行いますが、基本的には乳歯を抜かずに、あごの発育を促す方法が選ばれます。

 

矯正治療

大田区中央(池上・大森)の歯医者: 谷歯科クリニックで歯の先天性欠如についての解説

中学生くらいになると、全体的な矯正治療が可能になります。
残っている乳歯は20歳から30歳の間に自然に抜けてしまうため、この時期に乳歯を抜歯し、永久歯を移動させてすき間を閉じることで、歯並びの改善を図ります。

 

ブリッジ

先天性欠如の両側にある歯を整えて土台として使用し、その間に義歯(ブリッジ)を装着する治療法です。
土台となる歯には負荷がかかるため、短期的な治療としては適していますが、健康は歯を削る必要があるというデメリットがあります。

 

部分入れ歯

大田区中央(池上・大森)の歯医者: 谷歯科クリニックで歯の先天性欠如についての解説

部分入れ歯はブリッジやインプラントと比較するとかむ力はやや劣りますが、保険が適用され、健康な歯を削らなくても良いのがポイントです。
ただし、部分入れ歯はバネをかける歯に負担をかけることや、あごの骨が次第に退縮(吸収)するリスクもあります。
また特に若年層の方にとっては、心理的な面で入れ歯を使うことに抵抗感を覚える場合もあります。

 

インプラント

大田区中央(池上・大森)の歯医者、谷歯科クリニックで抜歯即時埋入インプラント

インプラント治療は、欠如した歯の根元に人工歯根(インプラント)を埋め込み、その上に義歯を取り付ける方法です。
見た目と機能が天然の歯に近く、安定したかみ心地を得ることができます。

 

まとめ

先天性欠如は放置するとさまざまなリスクを招く可能性がありますが、年齢や症状に合わせた治療を受けることでそのリスクを予防することができます。
お子さんがいる場合には、乳歯の抜けるタイミングや永久歯の生えている状況などに定期的に目を配り、できるだけ早めに対処できるようにしましょう。

 



谷歯科クリニック :https://tani-dentalclinic.jp/

〒143-0024 東京都大田区中央6-30-3
電話:03-3754-8041

交通アクセス
東急池上線池上 駅より徒歩12分
東急バス大森税務署バス停より徒歩0分

PAGE TOP