歯ぐきが部分的に黒く見えるのは何が原因?メラニン沈着との見分け方を解説
2026/05/20
こんにちは、大田区中央(池上・大森)の歯医者、谷歯科クリニックです。
歯ぐきの一部が黒っぽく見える場合、メラニン色素や金属の沈着、血管の問題、腫瘍など、その原因はいくつか考えられます。
今回は、歯ぐきが部分的に黒く見える原因と、生理的なメラニン沈着と病的な変色の見分け方について解説します。
健康な歯ぐきの特徴
健康な歯ぐきは、淡いピンク色をしています。
表面は滑らかで引き締まっており、出血や腫れ、痛みはありません。
また、歯との境目がはっきりしており、歯にぴったりと密着していることも、健康な歯ぐきの特徴です。
歯ぐきの部位ごとの色調や個人差
歯ぐきの色には個人差があります。
肌の色が濃い人ほど、歯ぐきにもメラニン色素が多く含まれる傾向があり、日本人を含むアジア系の人種は、欧米人に比べてメラニン色素が多い傾向があります。
また、歯ぐきの中でも、血流や粘膜の厚みの違いにより、歯に接している部分は比較的薄いピンク色で、歯のない部分や奥歯の周囲は、やや濃い色になります。
年齢による歯ぐきの色の変化
歯ぐきの色は、年齢とともに変化します。
一般的には、年齢を重ねると色が濃くなったり、メラニン沈着が増えたりしていきます。
また、歯ぐきが薄くなることで、下の血管が透けて見え、紫がかって見えることもあります。
喫煙によるメラニン色素沈着
喫煙は、タバコに含まれるニコチンやタールが刺激となり、メラニン色素の産生を増加させることで、歯ぐきのメラニン色素沈着を促進します。
喫煙者は、禁煙することで徐々に歯ぐきの色が薄くなる可能性があります。
金属による色素沈着
金属による色素沈着はメタルタトゥーとも呼ばれ、金属の詰め物やかぶせ物から溶け出した金属イオンが歯ぐきに沈着して黒く見える現象です。
銀合金やアマルガムなどを使用した歯の周辺に起こりやすく、隣接する歯ぐきに限局的に現れます。
色は灰色から青黒く、点状やシミのように見えることもあれば帯状に広がることもあります。
血管のトラブルによる変色
血管腫
血管腫は、血管が異常に増殖してできる良性の腫瘤です。
歯ぐきにできる血管腫は、赤紫色から暗赤色の膨らみとして見えます。
触るとやわらかく、圧迫すると色が薄くなります。
出血しやすく、歯磨きの際に血が出ることがあります。
静脈瘤
静脈瘤は、静脈が異常に拡張した状態です。
歯ぐきや頬の粘膜に生じることがあり、青紫色の膨らみとして現れます。
圧迫すると縮小し、離すと元に戻るのが特徴です。
通常は症状がありませんが、大きくなると噛んで傷つけることがあります。
血腫
血腫は、外傷や出血によって歯ぐきの中に血液が溜まった状態です。
青黒く見えることがありますが、多くの場合1〜2週間で自然に吸収されて消失します。
内出血の跡
歯科治療後や外傷後に、歯ぐきに内出血が起こって赤紫色や黒っぽい斑点として見えることがあります。
一般的には、数日で黄色や緑色に変化しながら徐々に消えていきます。
悪性黒色腫(メラノーマ)
悪性黒色腫(メラノーマ)は、歯ぐきや口蓋などに黒褐色の不規則な色素斑として現れる悪性腫瘍です。
境界が不明瞭で色むらがあり、短期間で大きくなるほか、潰瘍や出血を伴うこともあります。
急速に大きくなっている、境界がギザギザしている、周囲に色素が飛び散ったように見えるなどの特徴がある場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
リスク因子には慢性的な刺激や喫煙などがありますが、明確な原因が不明な場合も多く、誰にでも発生する可能性があります。
その他の変色の原因
色素産生菌による着色
特定の細菌は黒い色素を産生することがあり、歯ぐきに付着すると黒っぽく見えることがあります。
ただし表面的な着色であるため、歯科医院でのクリーニングで除去できます。
薬剤による変色
特定の薬剤の長期服用により、歯ぐきが変色することがあります。
また、化学療法の副作用として、口腔粘膜に色素沈着が起こることもあります。
全身疾患との関連
一部の内分泌疾患では、全身のメラニン色素沈着が増加し、口腔粘膜にも変色が現れることがあります。
また、ビタミン欠乏症や血液疾患でも、歯ぐきの色が変わることがあります。
メラニン沈着と病的変色の見分け方
分布のパターン
生理的なメラニン沈着は、歯ぐき全体に比較的均一に分布し、左右対称であることが多いです。
一方、病的な変色は、特定の部位に限局していたり、非対称であったりします。
金属による沈着は、特定の歯の周囲だけに現れます。
境界の明瞭さと色調
メラニン沈着は境界が不明瞭で、徐々に正常な色に移行します。
金属による沈着や腫瘍性病変は、境界が比較的明瞭です。
また、生理的なメラニン沈着は、濃淡はあっても比較的均一な色調です。
悪性腫瘍では、黒、茶色、赤、白など複数の色が混在し、色むらが見られます。
金属沈着は灰色から青黒い均一な色です。
経時的な変化
生理的なメラニン沈着は、長年にわたってゆっくりと変化します。
急速に大きくなったり、色が濃くなったりする場合は、腫瘍性病変の可能性があります。
血腫や内出血は、数週間で自然に消失します。
随伴症状の有無
生理的なメラニン沈着や金属沈着には、痛みや腫れなどの症状がありません。
出血しやすい、痛みがある、しこりがあるなどの症状を伴う場合は、血管腫や腫瘍性病変の可能性があります。
歯ぐきの黒ずみの治療方法
経過観察
生理的なメラニン沈着で症状がない場合は、経過観察を行います。
ただし、急に大きくなったり、色が変わったりした場合は、再度検査が必要です。
レーザー治療
審美的な理由でメラニン沈着を除去したい場合は、レーザー治療により色素を含む表層を蒸散させることで、きれいなピンク色の歯ぐきへと改善を促します。
治療には、複数回の通院が必要なこともあります。
外科的切除
血管腫や腫瘍性病変は、局所麻酔下で病変部を摘出し、切除した組織は病理検査に出して、確定診断を行います。
悪性腫瘍の場合は、より広範囲の切除や追加治療が必要になります。
金属除去と材料変更
メタルタトゥーの原因となっている金属の補綴物を、セラミックやレジンなどの非金属材料に交換します。
ただし、すでに沈着した色素は消えないため、気になる場合はレーザー治療や外科的切除を検討します。
歯ぐきの変色を予防するためのポイント
歯ぐきの変色を予防するためにまず大切なのは、定期的に口腔内を観察し、歯ぐきの色の変化や新しいできものなどの異常にできるだけ早く気付くことです。
新たに歯科治療を受ける際は、可能であれば金属を使わない材料を選択することで、メタルタトゥーを予防できます。
まとめ
歯ぐきが部分的に黒く見える原因には、生理的なメラニン色素沈着、金属による色素沈着、血管性の変色などがあります。
多くの変色は良性で健康上の問題はありませんが、自己判断は危険です。
歯ぐきの変色に気づいたら、歯科医院で診察を受けるようにしましょう。
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